Week 1

渡英後一週間と5日が経ち、ようやく最初のバタバタが落ち着き始めているのを感じます。世界基準的にいうと(と言えるほど人生経験はありませんが)東京とロンドンは似ている方だと思うのですが、当然小さな(であると同時に意外と大事な)ところがチラホラ違い、それらが日々小さな刺激として蓄積しているせいか、ほぼ毎日のように夕食を食べた途端に目眩のような睡魔にノックアウトされて、床に平伏しています。(SIGGRAPH 2014のETechの日々を思い出す。)多分すごいスピードで慣れようとしているのと同時に、違和感をすぐ忘れていっちゃうような気もするので、粗いメモとして書き残しておこう、と思います。

 

大学のこと

- IDE修士の学生の自己紹介(1分+1スライド)を見たところ、みんな話が上手い。こういう場で人となり(真面目系、ジョーク系、お花畑系、)が出てくるように思えた。

- IDEの博士課程 (MPhil/PhD) の同期は、意外にもあと4人いるらしい(といってもそのうち2人しか多分まだ大学に到着してない)。一人はIDE修士卒、もう一人はケンブリッジ卒、二人ともしっかりとファンディングを受けているという、なかなか厳つい感じだが、二人ともチャーミングな女の子で、それがまた逆に怖い。

- 何故かIDEの博士学生にNASAの元executiveがいる。

- 英語の聞き取り力が、まだかなり状況と人による。細かい訛りやら話題(ボキャブラリー)がまだ自分に十分にインストールされていない感じ。これはもはや努力というよりも経験値の問題な気がする。

- イギリス英語の細かい文法やら発音の隠れファンとしての一つの発見は、'royal'の発音における'y’がかなり弱く抜け落ちていて、[roiyal]というよりもほぼ [roiol]と発音されているように聞こえる。こういうの、多分まだまだある。

- 学生vs学務課のQ&Aセッションのときに 'What is the biggest change a student has made on the college?' という質問に、'ダイソンビルができたこと' と返されて、まあ確かにそうだけども、と思った。

- 博士学生もちらほらいる。ただし年齢層は高め。なぜだかリサーチ系の人の話の方が聞き取りやすい。思うに、求められる発言/会話スキルがかなり違っていて、じっくり考えて文章を組み立ててそれをしゃべる(つまり少し文語的になることもある)ことが研究畑の人の方が多く、その方が頭の中で英作文/英訳の問題を解いているみたいに考えられて、自分にとっては現状やりやすい、のかも。

- 博士学生に向けたオリエンテーションセッションで、教授陣が持ち時間10分間を本当に淀みなく喋り続ける。

- Design Product科の卒業生有志展示が良かった。これまで東京で見たプロダクト系の展示であまり良いと思うことが少なかったからその点新鮮だった。2年前にそこを卒業した友達曰く 'They should be good.' とのこと。

 

日常のこと

- バス停で椅子に座ってるだけだと全然無視される。(ほかに人がいないときは)アピールしないと止まってくれない。

- バスが多くて便利だが、渋滞がかなり多い(時間が全然読めない)。

- 空気がやや汚い。

- ヒースロー近くに滞在していて、空を見上げると飛行機雲だらけであることが多い。かなり近くを飛行機が飛んでいて、最初かなりビビる。

- KINTANという焼肉屋が中心地近くにあって、ここはユートピアだ、と思った。

- 滞在先に親戚の赤ちゃんがいて、すごく笑ってくれるのが嬉しい。

 

謝辞

- 友達が渡英前にくれたお箸がかなり役に立ってます。ありがとうございます!

- 後輩がくれた買い物袋と日本食が今になって心に染みてます。ありがとうございます!

- 先輩がくれたアイマスクはまだ使えてませんが、今夜あたり使ってみます。ありがとうございます!


記念すべき最初の1-2週目について、活字でなければきっと乱筆なメモにて。Paddingtonからの深夜便に揺られながら。 

出国前の洗礼集

主に大学/大学院からの留学に興味がある人向けですが、気付いたことをまとめてみます。手続きに関することは、留学について何ら本質的なことではないですが、こういうこともあったんだなという自分の記録のためにも。公表はされていないけど、「知ってる人は知ってる」事情があって少し戸惑ったりもしました。
 
-語学成績
殆どのところで" Language requirement"という最低限必要な語学成績のボーダーが引かれてある。これは、大学によってTOEFLだったりIELTSだったりする。ところが意外にも、出願の時点では必ずしも必要点数に達している必要があるわけではない(ところが多い)。それどころか、最終的に達していなくても少しくらいなら、入学前後に補講を受ければそれでクリアしたことにする、という緩いところもある(RCAもその一つ)。この辺りの「緩さ」加減は聞いてみないと分からなかったので、直接admission officeにメールすると良かった。(意外とすぐ返事がくる。)
 
-語学成績とビザ
2015春からIELTS for UKVIという、英国ビザ申請のために必要な試験が設けられた。これは、従来のIELTSと全く同じ内容で、受験会場は東京と大阪の二ヶ所しかなくて、何が違うといえば、試験会場に入室する前にスタッフのおばちゃんが慣れない感じで金属探知機を当ててくるのと、お値段が従来の倍くらいする、という至極お茶目な試験。春に突然この制度が導入されたために、夏にかけてこの混乱に巻き込まれていた。結論としては、(RCAの場合は)入学に必要な点数(6.0~7.0くらい)は従来のIELTSで到達していればよくて、但しビザ申請に必要な点数(5.5くらい)は IELTS for UKVI で達している必要があるとのことだった。
 
-出願時期
厳密な〆切があるところもあれば、あまり時期を選ばないところもある。RCAの場合、一部の(Global Innovationとか)学科を除いて年中出願を受け入れている。ただし人数の多い学科(特に修士?)は早いほど有利なのは間違いなさそう。自分の場合は(割とマイナーな)博士課程への出願だったので、念のため目安の期限みたいな時期を守ってはみたものの、〆切はそんな大事ではなさそう。2次試験のインタビューも「(スカイプは話しにくいから)ロンドンまで(わざわざ)来るのが望ましい」とのことだったが、「4月に展示でミラノに行くのでそのついでに行けると安上がりで助かります」というとその時期にセッティングしてくれた。ちなみに、成田空港からの帰りのバスの中で合格通知のメールをもらって、その直後に食べたつけ麺が(ミラノ/ロンドン帰りというのも相まって)格別だったのを覚えている。
 
留学を支援してくれる奨学金制度は、だいたい留学一年前の夏頃に申請をして、結果が秋冬頃に決まる。奨学金の有無が入学審査の重要な要素だったりするので、この時期に行われるらしい。申請時に志望校を書かされ、それが1校だけだったり、はたまた7校くらいもあったりする。しかし、たとえ1校しか書いていなくて、そこじゃないところに入学が決まったとしても、(あまり公表されていないけど)簡単な届け手を書くだけで認めてもらえるそう。ただし、学位の変更(博士→修士)は少しハードルがあるとこのこと。
 
もちろん大学や財団によって制度は千差万別ですが、個人の経験からおおよそ分かったことをまとめてみました。他には、雑多な感想として
 
-推薦状
大学の恩師や、IPA未踏プロジェクトのメンター、衛星プロジェクトのリーダー、展示でご一緒した先生に推薦状をいただきました。最近は推薦者自身がアップロードする方式が多く少し手間がかかるんですが、皆さん快く引き受けてくださったのが感激でした。感謝、感謝です。自分も将来若者を推薦するようなことがしたいとピュアに感じたのでした。
 
-その他
思い出し中
 
おそらく研究やトレーニングに意欲的であればあるほど、細々とした情報収集はとても面倒に感じます。が、これもまた洗礼と受け止めて、有意義な留学になることを祈ります。
 
 
 

ブログ開設 / VISAゲット

2015年秋からのイギリス留学を機にブログを開設してみました。文化や生活の違い、留学の実態についてときどき更新していく予定です。

留学先のRoyal College of Art (略称RCA) はロンドンの中心部にある王立の芸術大学院です。その中のInnovation Design Engineering (略称IDE) 専攻という工業デザインに近い分野の、博士課程 (MPhil/PhD) に入学します。自分の場合は、日本の大学院で工学系の修士課程を終えてから、博士課程でデザイン/アート分野に半分シフトすることになります。この「デザイン/アートxテクノロジー」の分野は最近地味に盛り上がってきていて、アカデミック方面の情報も(ニッチな分野ながら)需要が高まってきているように感じます。実際、工学系・美術系の友達の中でもRCAに興味を持つ人が増えているので、そうした人たちも少し意識しつつ、近況を書いていく予定です。

あとは、忘れないうちに留学準備の中で知り得たことのメモを少々。特に情報収集が意外と大変で、これまで情報通の友達にかなり助けてもらいました。奨学金や語学試験など、色々済んでみると大したことじゃなく思えても、実はネックになっていたヒントが確かにいくつかありました。人からのこういった助けは次へとバトンタッチしていこうということで、役に立った情報はできるだけシェアしていくつもりです。

今日、渡英10日前にしてやっとビザが下りるというバタバタ具合ですが、折を見て更新を続けていきます。