02017年RCA納め
Design Research Student Conferenceでの発表を終え、夜な夜な発表練習をする日々がひと段落ついた。と同時にこの大学院に通う2017年最後の日でもあった。自分のような美学的な研究は意外とマイノリティ*だが、良い反応が得られた。同僚の発表ももちろん聞いていて面白いが、それ以上に見モノなのが、ドイツからこの会議のために渡英してきた自分の指導教官や、ファッション・テキスタイル科*のチューターがどう彼ら(自分ら)の研究を分析批評して、どんな助言なり質問するのかというところだった。デザイン研究と実践を内側から理解している研究者だからこそ持てる視点が非常に刺激的で格好良かった。実際に彼らの中に、デザイン研究なりの実践研究「を通して」得られた深い知見がある。これは、デザイン研究「について」の研究(的立場)とは全く性質が異なる。
*主流というほどではないが、behavioural change, data visualisation, A.I./machine learning, sustainabilityあたりの研究テーマは毎年数人ずつやってる人がいる印象がある。しかしRCAは総合大学のような、研究室があって研究テーマが細分されていて、それぞれに教授がいて下に学生がいて、という形でないためやや辺境で萌芽的な研究がやり易いのかもしれない。現に自分も工学部にいた頃ほどの、ある特定の(歴史の長い)分野に所属するが故に生まれてしまう制約のようなものが割と少なく、その点非常に自由で居心地が良い。また、そこでただ「学際」として領域の問題を済ませ(たことにし)てしまうのではなくて、(デザインをベースとすることで大義名分を得た?)具体的で強力な実践で以って調査するという文化が大きな強みなのだろう。
*Fashion & Textile専攻は以前マテリアル学科に属していたが、マテリアル学科自体が分解されて、今年からデザイン学科に属している。